タイミングが重要!刑事事件の示談の流れ

タイミングが重要!刑事事件の示談の流れ

人の人生においては珍しいことですが、刑事事件の加害者になることもあり得ます。
加害者になった際、罪を大きくしないために考えるべきなのが、被害者と示談を成立させることです。

もちろん示談成立のためにはお金が必要ですが、それも含めて被害者に納得してもらえるなら、刑務所に行かなくて済むかもしれません。
刑事事件で示談を成立させるには、タイミングが重要です。示談の流れとタイミングを見ていきましょう。

どう運べば示談を成立させられる?

加害者にとっては、刑務所に行く、前科が付くというのは一生の問題となります。
しかし被害者にとって加害者とは、当然そういう目に遭うべき相手です。

利害の一致しない相手と一致しなければならないのですから、示談の運び方は大変難しいものです。
どう運ぶべきでしょうか。そしていつまでに成立させればいいでしょうか。

示談はいつまでに成立させたい?

示談の効果>※必ずこの結果となるわけではない

  • 起訴前の示談・・・不起訴になって釈放
  • 起訴後の示談・・・刑事裁判で有罪でも執行猶予が付く

加害者がすでに逮捕されている場合を考えてみます。
この場合、加害者家族が逮捕の事実を一切知らないということもありますが、知っている場合を想定します。

身柄を拘束されている被疑者(加害者)の、その後の刑事裁判に備えるとともに、一日も早く身柄を解放してもらうという目的がまずあります。
そのためにも、速やかな示談の成立が望まれます。

逮捕から72時間後、勾留の決定がなされると、その後もしばらく留置場から出られません。
この間に検察で、起訴か不起訴かの決定がなされます。
示談と無関係に、微罪であったり証拠不十分であったりで不起訴になり、釈放されることはあります。

逆に、微罪でもなく証拠が十分であれば、裁判で有罪になる可能性が高いので、示談が大きな意味を持つことになります。
取調室と検察、留置場を往復するだけのこの期間内に示談が成立すると、捜査が打ち切られ、釈放される可能性が高くなります。

検察における起訴決定の前に示談が間に合わない場合、刑事裁判が始まります。
この場合はすでに示談は手遅れで無意味かというと、そうではありません。

遅れて成立した示談も、加害者を勾留により身柄拘束しておく理由が乏しくなるので、釈放につながる可能性が高いでしょう。
裁判が始まってからも、被害者の処罰を望まない意思が証拠として提出されれば、実刑にならず執行猶予が付くかもしれません。

示談を成立させるのは弁護士

示談を成立させるのは、加害者本人およびその家族にとっては、非常にハードルが高いものです。
加害者を解放するため、そして刑事裁判に掛けないために、いきなり示談をしたいと被害者に持ち掛けたとしても、会ってくれるかどうかも疑問です。まず謝罪にこぎつけるところから始めなければなりません。

また、加害者本人が逮捕されていると、身動きが取れず物理的に交渉は不可能です。
被害者から第三者的な立場にある、法の専門家が担当するのが最適といえます。
加害者本人が逮捕されている場合でも、親族が刑事弁護士を選任することができます。

身柄を拘束されている本人が弁護士を選任することはできます。
ただ、たとえ知り合いの弁護士がいたとしても、逮捕直後は捜査のためと理由をつけられ、接見させてもらえないこともあります。

逮捕後72時間を過ぎて勾留に移った後なら、本人の希望に基づき私選弁護人を選任することができます。

示談成立のタイミングと効果

示談を成立させるのは決して簡単ではありませんが、示談成立のタイミング、早いに越したことはありません。
タイミングによる、示談成立の効果を見ていきましょう。

逮捕前に示談

犯罪事実があっても、被害届の提出前に示談できてしまえば、捜査は始まりません。
万一警察が来ても、有効な示談書があれば逮捕されることはないですし、もし逮捕されてもじきに釈放されます。

逮捕後起訴決定前に示談

犯罪の容疑者として逮捕されたとしても、検察が起訴を決定する前に示談が成立すると、これが起訴猶予の理由となり、不起訴決定がなされることが多いです。
逮捕に引き続き、勾留決定により留置場にいる場合も、それ以上の取り調べの必要がなくなるためにすぐ釈放されます。
不起訴であれば、前科は付きません。

起訴決定後に示談

示談が成立したとしても、すでに起訴が決定された後ということも、当然あります。
この場合、刑事裁判が始まります。日本においては裁判に掛けられると実質的にほぼ有罪なので、前科が付いてしまうのはやむを得ません。
ですが示談は無意味ではありません。

まず、示談金によって民事上の損害賠償が解消します。
もっと大事な効果は、これによって、実刑を免れることができるかもしれないということ。

被害者の処罰意思は、量刑に大きな意味を持ちます。被害者が強い処罰を望んでいないのであれば、有罪にはなるにしても、執行猶予が付いて刑務所に行かなくて済む可能性があります。

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