刑事事件を起こした際の示談の効果とは?

刑事事件を起こした際の示談の効果とは?

刑事事件の加害者になどならないに越したことはありません。
とはいえ現になってしまったときはどうしたらいいでしょう。

手をこまねいたまま裁判で有罪になると、前科者となってしまいます。
前科が付かなくて済むのなら、誰でもそのほうがいいはずです。

前科を付けないために、被害者との間で締結したいのが「示談」です。
被害者と示談できれば、罪に問われない可能性が高まります。

加害者となった後の切り札、示談について詳しく見ていきましょう。

刑事事件における示談とは?

刑事事件があった場合、一部の罪(親告罪等)を実質的に除いて、警察は直ちに捜査を始めることが可能です。

さらに捜査の必要があれば、逮捕によって加害者の身柄拘束も行います。
そして当該事件につき、検察が起訴すれば刑事裁判が始まります。
この際に、被害者の意思は決して無関係ではありません。

被害者が処罰を望まない意思を表明していれば、多数の事件を抱えて多忙な検察は、起訴をしないことが多いのです。
加害者の立場からすれば、被害者から「処罰を望まない」意思を引き出せるなら、処罰を免れる(または減刑される)可能性があるのです。
これが示談です。通常、示談金は必要です。

示談の有無により、起訴と不起訴、実刑と執行猶予とが分かれることがあるのです。
お金次第で運命が分かれるというのは不公平にも思えますが、被害者の意思を尊重する観点からすると、決して間違ってはありません。

示談の目的と効果

【示談の一般的な効果の例】

  • 被害届提出前の示談・・・捜査自体が始まらない
  • 捜査が始まってからの示談・・・捜査が終わる
  • 逮捕・勾留されている際の示談・・・釈放される
  • 裁判が始まってからの示談・・・実刑を逃れられる

「犯罪現場で現行犯逮捕」といったケースを除けば、多くの犯罪においては、被害届の提出が捜査開始のタイミングとなります。
被害届提出前に示談が成立すれば、捜査自体をスタートさせないことができます。犯罪を問われることはなくなります。

被害届の提出後、警察の捜査が始まった場合でも、取り下げてもらうと捜査が終わることも多いのです。
逮捕により身柄を拘束されていても、捜査が終われば釈放されます。

示談が成功すると前科がつかない?

被害者との示談が成立すれば、起訴されないで済むことが多いです。起訴されないのであれば、前科は付きません。
ただ、示談がうまく成立したとしても起訴される場合や、示談が成立するのが起訴決定後という場合もあります。

この場合、示談成立には意味がないのかというと、量刑を軽くする効果があります。
有罪でも執行猶予が付けば、刑務所に行かなくて済みます。

示談を進めるためには

示談を進めるためにどうすればいいかを見ていきましょう。
犯罪加害者になることを日ごろから想定している人はあまりいません。示談の流れなど、わからないのが普通です。

そして、加害者が逮捕されている場合、本人は示談に向けてなにもすることができません。

逮捕されている本人に代わり弁護士が活動

示談を進めるためには、刑事弁護人(弁護士)が欠かせません。
本人(逮捕されていない場合)や本人の親族が交渉しても、なかなかうまく行きません。
そもそも会ってもらえることも少ないでしょうし、せっかく会えて謝罪を済ませても、示談の話をすることでますます被害者の怒りを掻き立てることもあります。

最悪の場合、なにがなんでも処罰して欲しいという意志を増すことにもなるでしょう。
示談は、被害者に納得してもらわないと成立しないものです。
冷静な立場から全体を俯瞰できる人間、しかも専門家が必要です。

刑事事件の示談なら刑事事件を中心に扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 千葉支部がおすすめです。

示談は万能ではないが、できる限りのことをすべき

有罪になって前科が付くことのないように、加害者サイドから働き掛けられる貴重な手段が示談です。

とはいえ、「早く留置場から出してやりたい」「前科をつけなくない」と焦ったとしても、いい結果は出ません。
示談交渉のテーブルにつくのは被害者の意思次第であり、示談成立に向けての絶対確実な方法が存在するわけではありません。
示談の前にまず、誠意を持った謝罪が必要です。

もうひとつ考えておかなければならないのが、刑事訴訟と別個に発生する民事訴訟です。犯罪の結果、被害者には身体的損害や財産的損害、精神的苦痛など、多くの損害が発生します。
この賠償を求めて、民事訴訟を提起される可能性は非常に高いものです。
示談は、民事訴訟により支払う損害賠償金も含めて算出するのが普通です。

いずれにしても、罪を犯した以上、その償いはきちんとしましょう。

刑事事件の示談についてまとめ

最後に、示談について振り返ります。

  • 示談成立の有無が、前科になるかどうか、実刑になるかどうかを分ける
  • 示談には刑事弁護士が必要
  • 示談にはお金が必要
  • 示談は大事だが、加害者の都合で進めることはできない

示談の必要が発生した場合はご参考にしてください。

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